2011年 07月 03日
もうすぐ4ヶ月 |
東日本大震災の日から、もうすぐ4ヶ月経とうとしています。
少しずつ復興が進んでいる地域と、まだ何もかもそのままの地域がある。世の中にはいつでも、なんでも、両極があってこそバランスをとっているのだと言い聞かせながら、自宅へ戻るたびに襲われる苦しみをなだめています。なだめる方法はきっと、被災された人、それぞれの中でひとつ決めていることがあるのではないかと思います。私がよく使う方法は、陰が極まってこそ陽になることもあるという陰陽論と、あの日、一瞬にして跡形もなく何もかもが流されてしまった人や、家族を全員亡くしてしまった人と比べて私はまだまだまし。と自分よりもひどい被災を受けた人と比較すること。
どちらも冷静でいるためにいつも必要としていた方法でした。
震災後少ししてから、仏教のおしえをうかがう機会があって、あるお寺に行きました。ブッタのおしえなどを説いた信仰宗教ではない仏教です。そのお話の中で印象的だったのが、仏教の世界ではどんなにひどくつらい悲しみに襲われたとしても、悲しんでいる時間は最長1週間までとされるそうです。1週間経ったら、パッと忘れて、何事もなかったかのように前を向いて歩き出すこと。修行をしていない私たちなら1ヶ月は時間をくださるそうです。でも、1ヶ月。もうすぐ4ヶ月なのだから、とっくに忘れていなくてはならないのですね。
ありがたいことに、ノワイヨにいるときは、そのようにできています。パッと忘れてずんずん進んでいます。
ただ、自宅へ帰るたびに景色がまだ変わっていないせいか、あの日に引き戻されてしまうのです。途中の道路からの眺めはまだ瓦礫やプラスチックの家事用品などがたくさん散乱しています。
新緑の季節にも、まるで秋のような樹木の色合い。
自宅の庭は見事に何もなくなって、プランターのかけらがいっぱい。
そんな庭ですが、5月はじめにしっかりと顔を出した植物たちは、スズラン、フェンネル、ヤロー、カモミールでした。ギボウシは津波の影響を受けることなくすっくと育っていました。
もうすぐ取り壊す母屋は手足のあるものが暴れまくった後のよう。畳は下から突き上げられるようにはがされて泥だらけ。当初はりっぱな松の木の大木が茶の間にあったそう。私は一ヶ月以上、現実から目をそむけるように母屋に入ることができなかったから松の木のことはわからなかった。
避難所での生活はとてもつらいもので、義父母はずいぶん痩せました。ほんとうの復興が叶う日まで、どうか元気でいてほしい。突然に離れて暮らすようになってしまったけれど、ここで つまずいてしままないよう、いつも手をとりあっています。被災地ではまだまだ時間が必要です。お金もたくさん必要です。ポジティブに捉えるのなら、新しい道を進むことができる!変われる!と思うかもしれないのですが、何十年分のことすべてやり直しなのですから、家を建て直して、車を買い直して、これだけで何千万円というお金を、もう一度、用意しなければならないのです。
現実を考えはじめると、やっぱりたいへんなことがおこったことを実感してしまいます。
生きていくことが困難な人がたくさんいます。支援の力が長続きしますように。
いつも助けてくださっている皆さまには心から感謝申し上げます。
そして、私の個人的な被災した家のお話をネガティブに綴るのはこれでおしまいにしようと思います。
キッチンファーマシー再開についてのお問い合わせをたくさんいただいております。ありがとうございます。7月からはじめたいと思っていましたが、予定がたてられませんでした。楽しみにしてくださっているのに、ほんとうに申し訳ございません。もうしばらくお待ちください。
少しずつ復興が進んでいる地域と、まだ何もかもそのままの地域がある。世の中にはいつでも、なんでも、両極があってこそバランスをとっているのだと言い聞かせながら、自宅へ戻るたびに襲われる苦しみをなだめています。なだめる方法はきっと、被災された人、それぞれの中でひとつ決めていることがあるのではないかと思います。私がよく使う方法は、陰が極まってこそ陽になることもあるという陰陽論と、あの日、一瞬にして跡形もなく何もかもが流されてしまった人や、家族を全員亡くしてしまった人と比べて私はまだまだまし。と自分よりもひどい被災を受けた人と比較すること。
どちらも冷静でいるためにいつも必要としていた方法でした。
震災後少ししてから、仏教のおしえをうかがう機会があって、あるお寺に行きました。ブッタのおしえなどを説いた信仰宗教ではない仏教です。そのお話の中で印象的だったのが、仏教の世界ではどんなにひどくつらい悲しみに襲われたとしても、悲しんでいる時間は最長1週間までとされるそうです。1週間経ったら、パッと忘れて、何事もなかったかのように前を向いて歩き出すこと。修行をしていない私たちなら1ヶ月は時間をくださるそうです。でも、1ヶ月。もうすぐ4ヶ月なのだから、とっくに忘れていなくてはならないのですね。
ありがたいことに、ノワイヨにいるときは、そのようにできています。パッと忘れてずんずん進んでいます。
ただ、自宅へ帰るたびに景色がまだ変わっていないせいか、あの日に引き戻されてしまうのです。途中の道路からの眺めはまだ瓦礫やプラスチックの家事用品などがたくさん散乱しています。
新緑の季節にも、まるで秋のような樹木の色合い。
自宅の庭は見事に何もなくなって、プランターのかけらがいっぱい。
そんな庭ですが、5月はじめにしっかりと顔を出した植物たちは、スズラン、フェンネル、ヤロー、カモミールでした。ギボウシは津波の影響を受けることなくすっくと育っていました。
もうすぐ取り壊す母屋は手足のあるものが暴れまくった後のよう。畳は下から突き上げられるようにはがされて泥だらけ。当初はりっぱな松の木の大木が茶の間にあったそう。私は一ヶ月以上、現実から目をそむけるように母屋に入ることができなかったから松の木のことはわからなかった。
避難所での生活はとてもつらいもので、義父母はずいぶん痩せました。ほんとうの復興が叶う日まで、どうか元気でいてほしい。突然に離れて暮らすようになってしまったけれど、ここで つまずいてしままないよう、いつも手をとりあっています。被災地ではまだまだ時間が必要です。お金もたくさん必要です。ポジティブに捉えるのなら、新しい道を進むことができる!変われる!と思うかもしれないのですが、何十年分のことすべてやり直しなのですから、家を建て直して、車を買い直して、これだけで何千万円というお金を、もう一度、用意しなければならないのです。
現実を考えはじめると、やっぱりたいへんなことがおこったことを実感してしまいます。
生きていくことが困難な人がたくさんいます。支援の力が長続きしますように。
いつも助けてくださっている皆さまには心から感謝申し上げます。
そして、私の個人的な被災した家のお話をネガティブに綴るのはこれでおしまいにしようと思います。
キッチンファーマシー再開についてのお問い合わせをたくさんいただいております。ありがとうございます。7月からはじめたいと思っていましたが、予定がたてられませんでした。楽しみにしてくださっているのに、ほんとうに申し訳ございません。もうしばらくお待ちください。
by noyau-f
| 2011-07-03 23:50
| 東日本大震災の日から