2011年 08月 08日
支援物資たち |
一昨日、仮住いに支援物資が届きました。お米や調味料、スナック菓子、ジュース、インスタントラーメン、お茶などいろいろなものがぎっしり。NPO団体からのもののようです。ありがとうございました。
久しぶりに支援物資らしい趣のものを見て、被災者であることを思い出しました。
「被災地」や「被災者」という言葉が差別用語のようだとか、弱者扱いしているといった声を何度か耳にしましたが、じつは私もそのように感じてしまっていたのです。だから被災者であることを隠すようにふるまっていたような気もします。
8月になってから、夫とときどき話すようになりました。
「もう5ヶ月も家に帰ってないね」
「とんでもないことになったものだね」
「家を建てて、新車を買って、野菜は自給自足で…あの暮らしはなんだったんだろうね」
まぼろしのように消えていった日常を思い出して、笑いながら、なつかしいねって言ったりしています。
私たちの家は二棟ありました。そのうち一棟は秋以降に取り壊しの予定です。もう一棟は2階がまあまあ大丈夫ですが、狭い空間に4人で暮らすのはどうなんだろう。しかも常磐線の駅から徒歩5分の立地で便利だったのに、線路が駄目になったため駅の場所が少し山のほうに移動してしまうのだそう。そして、新築と増築をしてはいけない地域に指定され。この土地をいったいどうすればいいのだというのだろうか。次々に決められていく町や国の判断にとまどうばかりです。
家二棟と家具や備品や思い出などその中身、土地、車2台。これが私たちの被害総額です。金額になおして考えてみるとほんとうにたいへんなことが起こったなあと実感します。でも、物質は依存しなければ忘れることができます。私たちはその方法を選びました。すべてを忘れるということ。
お盆には5ヶ月ぶりに家に一泊してみたいねと計画しています。ホームシック。だけど、やっぱり命がまだあることの尊さとありがたさにはかないません。打ち上げられた花火を見上げながら、天国に先にいった皆さんにも見えるかなあと自然に思い涙がこみあげました。この涙の意味は、悲しみではない。感謝なのだ。
これからどうするか。なんと、夫婦そろって、まだ考えていません。世の中の動きをじーっと眺めています。いまできることだけを、する。これだけでも人生は十分に充実している。
以前に私のところへ届けられた支援物資を一部ご紹介させていただきます。
お取引先のノンナアンドシディ社長 岡崎さんからDOMORIのミルクチョコレートを箱いっぱい(50ヶ以上はあったと思います)。DOMORIだけどミルクなら子どもさんでも食べられるでしょ、配ってくださいね。やさしい声に癒されながらも、これは一個980円もするのに100円のチョコレートと思われたらもったいなあなんて思ってしまいました。知人を通じて山元町と名取市の方へお届けしました。
カリス成城 取締役の坂出富美子さんからはずっと何か送りたいとお声をかけていただいていました。しばらくたってから、私の義母が春になってすぐに被災した庭にホームセンターから苗を買ってきて花を植えているのを見て、ハーブ苗が喜ばれるかもしれないと思いつき、坂出様にお願いしました。想像以上のたくさんの量を送ってくださいました。箱をあけたとたんに生き生きとしたハーブの苗たちの顔ぶれに私がいちばん癒されたかもしれません。
館のインテリア雑貨屋さんポートランドの三浦ゆみ子さんは、震災後すぐにノワイヨに来てくださいました。被災地の方に差し上げてくださいと、いろとりどりのきれいなバッグやポーチを置いて行かれました。避難所で配らせていただきました。お母さんたちがとても喜んでいたのを忘れられません。
ノートルシャンブル阿部純子さんからは個人的にたくさんの素敵な洋服や小物をいただきました。私の生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を落とさずに済んだのは純子さんのお陰でした。そのほかにもたくさんの支援物資やお土産、励ましのお言葉を頂戴しています。ほんとうにありがとうございます。皆さまにいつも感謝しています。
by noyau-f
| 2011-08-08 16:35
| 東日本大震災の日から